デスク de 発想力

デスクで実践 オンライン会議の発想活性化術

Tags: オンライン会議, 発想, チーム, ツール, 効率化, デスクワーク, リモートワーク

日々の業務、特にプロジェクトマネージャーとして多忙なスケジュールの中で、チームメンバーと膝を突き合わせる従来の会議に代わり、オンライン会議が主流となっています。オンライン会議は場所を選ばず効率的な情報共有を可能にしますが、対面と比較してアイデアの発想や議論の活性化が難しいと感じる方も少なくないでしょう。発言のタイミングが掴みづらい、非言語情報が伝わりにくい、集中を維持するのが難しいなど、オンライン特有の課題が存在します。

しかし、これらの課題は、デスクで準備し、デスク上で利用できるツールやテクニックを適切に活用することで克服可能です。本記事では、限られたオンライン会議の時間を最大限に活用し、チーム全体の創造性を引き出すための具体的なデスクワーク術をご紹介します。

なぜオンライン会議での発想が難しいのか

オンライン会議における発想の停滞にはいくつかの要因が考えられます。

これらの課題に対し、会議時間内だけでなく、会議前後のデスクでの準備やフォローアップが重要となります。

デスクでできるオンライン会議の発想活性化テクニック

オンライン会議での発想を促すために、デスクで実践できる具体的なテクニックをいくつかご紹介します。

1. 会議前準備の徹底:アジェンダと「問い」の明確化

会議前に、何を話し合い、どのようなアイデアや結論を得たいのかを明確にしたアジェンダを作成します。特に発想会議の場合は、具体的な「問い」の形式で目的を示すことが重要です。

このアジェンダと問いを参加者に事前に共有することで、各自がデスクで予備的な思考や情報収集を行い、会議に臨む準備ができます。これにより、会議開始直後から質の高い議論に入りやすくなります。

2. 会議中の促進:発言しやすい環境作りと構造化

オンライン会議中、ファシリテーター(進行役)は参加者全員が安心して発言できる雰囲気を作ることに注力します。これもデスクから行える重要な役割です。

3. 会議後のフォローアップ:アイデアの整理と共有

会議で出されたアイデアは、議事録とは別に、分かりやすい形で整理し、速やかに参加者へ共有します。

デスクで使える発想を促進するツール

オンライン会議での発想を物理的にサポートするツールは、デスクワークの強力な味方です。

1. オンラインホワイトボードツール

Miro、FigJam、Muralなどのオンラインホワイトボードツールは、オンライン会議における共同発想の核となります。

2. アイデア整理・構造化ツール

マインドマップツール(XMind, MindMeisterなど)や概念マップツール、あるいはシンプルなリスト作成・アウトラインツールなども、会議中のアイデアを構造化したり、会議後に整理したりするのに役立ちます。

3. 会議支援・議事録ツール

Notta、Otter.aiなどの音声認識議事録ツールは、発言内容を自動でテキスト化し、議事録作成の手間を軽減します。TeamsやZoomのような会議ツールに内蔵された機能も活用できます。

実践例:オンラインホワイトボードを活用したチームブレスト

多忙なプロジェクトマネージャーが、限られたオンライン会議時間内にチームで新機能アイデアを出すための実践例です。

  1. 会議前:
    • 目的を「既存サービスの利用率を10%向上させる新機能アイデア」とし、「ユーザーの潜在的な不満を解消する機能アイデアは何か?」という問いを設定。
    • オンラインホワイトボード上にブレスト用テンプレート(問い、アイデア記入エリア、グルーピングエリアなど)を用意。
    • アジェンダと問い、ホワイトボードへのリンクを参加者へ事前に共有。「会議開始までに思いついたアイデアを1つで良いので付箋で書いておいてください」と依頼。
  2. 会議中(30分):
    • 開始5分:短いアイスブレイクと、本日の問い、オンラインホワイトボードの簡単な操作説明。
    • 次の10分:各自、ホワイトボードのアイデア記入エリアに思いつくアイデアを付箋で書き出す(ルール:批判しない、自由に、数を出す、既存アイデアに便乗)。音声で補足したい場合は短く話す。
    • 次の10分:書き出されたアイデア全体を眺め、類似するものをドラッグ&ドロップでグルーピングする時間。発言を促し、各グループに名前をつける。
    • 最後の5分:グルーピングされたアイデアの中から、特に興味を引くものについて簡単に意見交換。次回検討するアイデアを数個選定(投票機能など活用)。
  3. 会議後:
    • ホワイトボードの内容を画像やPDFでエクスポートし、チャットや共有フォルダでチームに共有。
    • 選定したアイデアについて、担当者や次回の検討方法(例:〇〇さんが次回までに簡単な仕様案を作成)を明確にする。

このように、会議「時間」だけでなく、会議「前後」のデスクでの準備や、会議「中」のツール活用を組み合わせることで、短時間でも効果的な発想会議が可能になります。

まとめ

オンライン会議における発想力の向上は、多忙なビジネスパーソンにとって重要な課題です。デスクワークの延長として、会議前の周到な準備、会議中の意図的な進行、会議後の適切なフォローアップを行うこと、そしてオンラインホワイトボードなどのツールを効果的に活用することが鍵となります。

これらのテクニックやツールは、一人でデスクに向かっている時だけでなく、チームとの共同作業においても創造性を最大限に引き出す手助けとなります。ぜひ本記事で紹介した方法を参考に、日々のオンライン会議をより生産的で創造的な時間へと変えていってください。